DTMを8年続けられた理由は「作りたい曲」と「目的をいくつか持っていたこと」だった

DTM入門

趣味でDTMを始めて、気づけば8年くらい経ちました。

とはいえ、8年間ずっとガッツリ触っていたわけではありません。週に2時間触れるかどうかの時期もありましたし、まったく触っていなかった時期もあります。実質の作業時間で考えると、2年くらいかもしれません。

それでも、オリジナル曲は15曲くらい作りました。歌ってみたMIXも30曲くらいやりました

振り返ってみると、DTMを挫折せずに続けられた理由は、才能や根性というより「作りたい曲があったこと」と「DTMをする理由が複数あったこと」が大きかった気がします。

一番大きかったのは、作りたい曲があったこと

自分がDTMを始めたきっかけは、もともとギターで作っていた弾き語りの曲を形にしたかったからです。

弾き語りの曲が数曲あって、いつかちゃんとした音源として残したいと思っていました。音楽も好きだったので、最初は「ちょっと頑張ればできるだろう」くらいに思っていました。

でも、実際に始めてみると全然そんなに簡単ではありませんでした。

DAWの操作もよくわからない。プラグインも多すぎる。録音もMIXも、何をどうすればいいのかわからない。今でもDAWやプラグインをちゃんと理解できているかと言われると、正直よくわかっていない部分は多いです。

それでも続けられたのは、「自分の曲を形にしたい」という気持ちがあったからでした。

少し変な言い方かもしれませんが、自分の曲を音源として残せば、後世に自分の曲を残せるかもしれない。そういうわくわく感が、DTMを続ける理由になっていたと思います。

DTMは思っていたよりずっと地味だった

DTMを始める前は、もっと華やかな作業を想像していました。

曲を作って、音を重ねて、いい感じに仕上がっていく。もちろん、そういう楽しい瞬間もあります。でも実際には、かなり地味な作業の連続です。

DAWの使い方、録音の仕方、音源の選び方、EQ、コンプレッサー、リバーブ、オートメーション、書き出し、音量バランス。ひとつわかったと思ったら、また次にわからないことが出てきます。

特に初心者の頃は、情報が多すぎて何から手をつければいいのかもわかりませんでした。

「音楽が好きだから続けられる」と思っていましたが、音楽が好きなだけではしんどい時期もあります。
好きなことのはずなのに、作業は細かくて、成果もすぐには出ないからです。

最初の3年は、何が足りないのかもわからなかった

一番挫折しそうだったのは、始めてから3年目くらいまでです。

目指しているクオリティはあるのに、

自分の音源には何が足りないのかわからない。
何をすれば近づくのかもわからない。

これがかなりきつかったです。

今なら、アレンジなのか、演奏なのか、録音なのか、MIXなのか、少しは切り分けて考えられます。

でも当時は、ただ「なんか違う」としか思えませんでした。

しかも、相談できる友人もいませんでした。

自分に合う書籍や情報にも出会えていなかったので、フラストレーションを発散する場所もありませんでした。

その結果、半年ほどDTMに触らなかった時期もあります。

そのときは、「もうDTMはやらなくていいや」と思うところまで気分が落ちていました。
無理に続けようとはせず、一度ちゃんと触らないことにしました。

そして、もし1年使わなかったら機材も全部売ってしまおうと決めました。

でも、DTMから離れてしばらく経ったころ、ふと自分の曲が耳に入ってきたことがありました。

そのときに、懐かしさや、その曲を完成させたときの気持ちが一気によみがえってきました。
自分はやっぱり音楽制作をやめるべきではないんじゃないか、と思いました。

少し大げさに聞こえるかもしれませんが、自分の曲に自分が励まされたような感覚でした。

この経験があったからこそ、自分にとって「作りたい曲があること」や「作った曲が残っていること」は、DTMに戻ってくる理由になるのだと思います。

好きな音楽をやっているはずなのに、何が悪いのかもわからない状態が続くのは、普通にしんどいです。なので、自分の経験からすると、DTMで挫折しそうになるのはまったく不思議ではありません。

録音とMIXは、細かい作業の積み重ねだった

DTMの作業の中で、特に地味だと感じたのは録音です。

たとえばギターを録音するとき、ただメトロノームに合わせて正確に弾けばいいわけではありません。
正確さも必要ですが、グルーヴも必要です。

そうなると、リテイク数がどんどん増えます。

「タイミングは合っているけど、なんか固い」
「今のテイクは勢いはあるけど、少し走っている」
「この部分だけもう一回録りたい」

こういうことを繰り返していると、録音だけでかなり時間がかかります。

しかも、録音が終われば完成ではありません。そこから音を聞いて分析して、EQやコンプレッサーなどのプラグインを少しずつ動かして、理想の音に近づけていきます。

この「少しずつ動かす」という作業が、本当に地味です。

劇的に変わることもありますが、多くの場合は細かい調整の積み重ねです。初心者の頃は、その細かい変化が正しいのかどうかもよくわかりません。

DTMは、想像していたよりずっと細かい作業の集合体でした。

歌ってみたMIXが、達成感を補ってくれた

自分の場合、DTMを続けられた理由はオリジナル曲だけではありませんでした。

歌ってみたMIXや、知り合いからのMIX依頼もありました。これがかなり大きかったと思います。

オリジナル曲制作は、やることが多いです。
作曲、編曲、録音、打ち込み、音作り、MIX。完成までの道のりが長いので、
途中で行き詰まることもあります。

一方で、自分が受けた歌ってみたMIXは、オリジナル曲制作に比べるとトラック数が少なく、成果物までたどり着きやすかったです。

自分は歌ってみたMIXを30曲くらいやりましたが、そこで「完成した」という達成感を得られたことは、モチベーション維持につながりました。

オリジナル曲で行き詰まったときに、歌ってみたMIXをやる。MIX依頼で達成感を得たあとに、また自分の曲に戻る。

この行き来ができたのは、かなり助けになりました。

DTMをする理由は、2つ以上あると楽になる

自分がDTMで挫折しにくくなった工夫は、DTMをする理由を2つ以上持っておくことでした。

自分の場合は、主にこの3つがありました。

  • 自分のオリジナル曲を作ること
  • 歌ってみたMIXをすること
  • 知り合いからのMIX依頼を受けること

ひとつの理由だけだと、それがうまくいかなくなったときに苦しくなります。

たとえば、オリジナル曲だけを目的にしていると、曲が完成しない時期に「自分は何もできていない」と感じやすいです。

でも、他にも目的があれば、少し逃げ道ができます。

オリジナル曲が進まないなら、歌ってみたMIXをする。MIXで耳が疲れたら、曲作りに戻る。知り合いの依頼を通して、自分では選ばない素材に触れる。

こうやってカテゴリを行き来できると、行き詰まったストレスを少し流せます。

ここで大事なのは、別の制作に移ることを悪いことにしないことです。

趣味のDTMは、続けられる形にすることが大事です。ひとつの制作で詰まったときに別の制作へ移ることは、サボりではなく継続のための工夫だと思います。

完璧にわからなくても、少しずつ形にできればいい

DTMを8年続けてきたと言っても、自分は今でもわからないことだらけです。

DAWもプラグインも、すべてを理解しているわけではありません。よくわからないまま使っているものもあります。

それでも、曲を作るごとに少しずつ上達している感覚はありました。

前より録音がうまくいく。
前より音のバランスがわかる。
前よりコンプレッサーの意味が少しわかる。
そういう小さな実感が、続ける理由になっていたと思います。

プラグインや音について勉強するたびに、「これはこういうことだったのか」とわかる楽しさもありました。

最初から全部わかる必要はないと思います。

もちろん、勉強は必要です。練習も必要です。
でも、完璧に理解してから曲を作るのではなく、作りながら少しずつわかっていくほうが、自分には合っていました。

DTMは「戻ってこられる理由」があると続けやすい

DTMを続けるために必要なのは、根性だけではないと思います。

特に趣味で続けるなら、「戻ってこられる理由」を持っておくことが大事です。

自分にとっては、それが作りたい曲でした。
そして、歌ってみたMIXや知り合いからのMIX依頼も、DTMから離れすぎないための理由になっていました。

DTMは、思っているより地味です。わからないことも多いです。理想のクオリティに届かなくて、何が足りないのかすらわからない時期もあります。

でも、作りたいものがあると戻ってこられます。

さらに、DTMをする理由が複数あると、ひとつの制作で行き詰まっても別の制作に移れます。

もし今、DTMがしんどくなっているなら、技術の勉強だけでなく「自分はなぜDTMを続けたいのか」を考えてみてもいいと思います。

オリジナル曲を作りたい。
歌ってみたMIXをしたい。
誰かの曲作りを手伝いたい。
好きな音を再現してみたい。
自分の作品を残したい。

理由は、きれいなものでなくてもいいです。

自分がまたDAWを開きたくなる理由を、2つ以上持っておく。
それだけでも、DTMとの付き合い方は少し楽になると思います。

Shuhey

モテたくて始めたギターとブラックコーヒー。気づけばモテそっちのけで音楽沼へダイブ。
バンド、弾き語り、路上ライブを経て、社会人になってDTMに出会い、ひっそり音楽を続ける日々。友人にDTMを布教するも次々と脱落し、気づけばひとり…。音楽を語りたいのに相手がいないので、せめてブログにぶつける30代前半男性。DTM歴8年目。

島村楽器主催のアコパラ2019で「soloel」としてグランプリ受賞。

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