独学DTMの挫折しかけた点

DTM入門

はじめに

こんにちは、Shuheyです。

この記事では、独学でDTM(デスクトップミュージック)を始めた経験をもとに、私が抱いていた始める前のイメージと実際に取り組んでみた後の現実とのギャップ、そしてその過程で直面した挫折感についてお話しします。

誰に役立つ?
  • DTMをこれから始めたいと思ってるけど、どんな壁があるのか知りたい方
  • 独学でDTMをやっている人の経験を知りたい方
  • 挫折あるあるで一緒に共感してくれる方

Shuheyが求めているクオリティ

まず最初に、私がDTMで何を目指しているのかをお伝えしたいと思います。

DTMと一口に言っても、BGM、ゲーム音楽、インストゥルメンタルなどジャンルはさまざま。人によって目指すゴールもクオリティの基準も違います。

私の場合は、

  • これまでの音楽活動で作ってきたオリジナル曲をしっかり音源化したい
  • 出来上がった曲を音楽ストリーミングサービスで配信して、家族や友人にも聴いてもらいたい

というのが目的です。

音楽配信といっても、Apple MusicやSpotifyといったプロのアーティストと同じ土俵に自分の楽曲が並ぶわけです。
つまり、求められるクオリティも当然プロと同等レベルになります。

…はい、めちゃくちゃ大変です。

正直、DTMを始める前は「楽曲を作ってアップするだけでしょ?」くらいに思っていました。
でも実際にやってみると、やるべきことの多さと想定外のトラブルの連続で、何度も挫けそうになりました。

ですが、コツコツとDTMを続けていれば、挫折も独学で乗り越えることができるので、あまり怖がらずに見ていってください!

挫折しそうになった点

DTMといってもDAWや機材のトラブルのみならず、それを起動するためのPCからトラブルの物語は始まります。なかなかうまくいかないんですよね。

PC関連のエラー

DTMを始めたばかりの頃、一番最初にぶち当たった壁。それがPC関連のエラーです。
DTMって、まず音楽作りに入るまでの準備段階でめちゃくちゃエネルギー使うんですよね…。

アクティベーション・インストール・アップグレード等のエラー

ソフトを買って、インストールして、「さぁやるぞ!」と思った瞬間、
「この製品はアクティベーションされていません」

なんですかそれ?と思いながら公式サイトに行きます。

新規会員登録→ログイン → 製品登録 → シリアル入力 → 謎のエラー → やり直し

メーカーごとに新規会員登録作業があり、アクティベーションの方法が違ったりするので、地味に時間を吸われます。

機材・プラグインを読み込まないDAW

「せっかく買った音源がDAWに表示されない」問題。これ、地味に多いです。

VSTの場所がズレてるのか、32bitと64bitの違いなのか、そもそもMacとWindowsで挙動が違うのか。
最初の頃は「とりあえず再起動、そして再インストール」でどうにかしようとしてましたが、もちろん直るわけもなく。

アップデート迷宮

久しくソフトやプラグインプラットフォームアプリを立ち上げましょう。
すると、「最新版があります」と言われ、アップデートしたら今度は別のエラーが出る。
特にありがちなのが、

  • バージョンが合わない
  • アップデートしたあとに求められる費用、しぶしぶダウングレード
  • ライセンス再認証が必要

すべて説明が英語なんです。
迂闊にボタンを押してはいけないと学びました。

レコーディング

DTMの要はレコーディングです。良いレコーディングができなければ、良いミックスはできないのです。良いレコーディングはどのようにするのでしょうか。はて。

息を合わせる気ゼロなメトロノーム

いざ、録音を始めましょう。すぐに気づくことですが、緊張します
練習では完璧に弾けていたフレーズもメトロノーム&録音環境下ではわけが違います。

ミスってはいけないという緊張感が手元を狂わせ、耳を狂わせ、しまいにはメトロノームを置いてけぼりにすることも…

まずメトロノームと友達になることが私にとってのDTMの始まりでした。

深すぎるマイキング

マイキングとは本来、レコーディングエンジニアという専門職の方が担当する作業です。
そうです。素人には深すぎるのです。

ざっくり言うと、楽器をどんな風に、どの位置で、どんなマイクで録音するかを決めること。
楽曲の完成度に大きく関わる工程なのに、正解はひとつじゃないのがまた厄介なんです。

例えば、アコースティックギターひとつとっても…

  • サウンドホールに向ける?
  • ネック寄り?それともボディ側?
  • 斜めから?真横から?距離は?
  • そもそもマイクは何を使うの?

…という感じで、マイクの「向き」「位置」「種類」「距離」「部屋の響き」など、判断すべきことが多すぎます。

「そんなの初心者にわからんじゃん?」

静寂を切り裂く油断ノイズ

レコーディングで重要なのは、対象とする音(楽器や歌声)だけをクリアに録音すること。
これが簡単なことではないんです。
実際やってみると、意図しないノイズが次々と入り込んでくるのです。

あるあるノイズ
  • 調子よく歌っているときのマイクスタンドに足が当たる「ゴン」ノイズ
  • 調子よく歌っているときのポップガードに口が当たる「ドゥン」ノイズ
  • 調子よく弾いているときの足踏み「ゥン」ノイズ
  • アコギのサステイン中にボディから腕が離れるとき「シュッ」ノイズ

そして一番厄介なのが、静寂を切り裂く「椅子の軋みや服の擦れ音」でしょう。

最高のテイクが録れた時に上記のノイズが入っていると、いとも簡単に人は涙を流します。

ミックス

プラグインの用途・設定

EQ、コンプレッサー、ゲート、リミッター、ディレイ、リバーブ等、全部違うパラメータを使用して、組み合わせて自分の理想の音を目指します。

用語も機能もちんぷんかんぷん
  • EQ → どの周波数をどうすればいいの?
  • コンプレッサー → アタック?リリース?スレッショルド??
  • ゲート → 無音にするやつ?いや違う?
  • リバーブ → かけすぎると風呂場
  • ディレイ → 音がズレる…けどかっこいい?

僕が学んだのは、
最初から全部のプラグインを完璧に理解しようとすると、確実に心が折れるということでした。

ミックスダウン後の音質変化

DAW内で「これで良し!」と思えるミックスができたら、
いよいよミックスダウンして、wavファイルで再生してみましょう。

すると、「あれ?何か違う?」と感じることがあります。

DAWでの再生は複数のトラックをリアルタイムで処理していますが、ミックスダウンすると、音の重なり方、空間の広がり、コンプレッサーやEQの効き方が少し変わり、異なる音に感じることがあります。

この変化を理解するのは大変でした。「またミックスダウンし直しか…」「何が原因だろう?」と何度も悩みながら、作業をしました。というか今もしています。

ただ、経験を積むことで、ミックス中に最終的な音の変化を想像できるようになり、使っているプラグインの特性を把握し、書き出し前にチェックすべきポイントが見えてきました。これにより、ミックスダウンの回数もずいぶん減っています。

音圧

マスタートラックが0dBに近い状態でミックスダウンしているのに、
市販の音源やYouTubeの曲と並べて聴いてみると、
「なんか…自分の曲、やけに音が小さくない?」

そんな違和感にぶつかることがありました。

数値的には問題ないはずなのに、体感の音量が足りない
これがいわゆる音圧問題です。

「じゃあ、音量を上げればいいんじゃないの?」
と思いがちですが、それをやると音割れ・破綻・音質劣化のオンパレードになります。

求められるのは、
“音を大きく感じさせながら、音質も保つ”というバランス感覚。

そのためには、

  • フェーダーの調整
  • EQで不要な帯域を整理
  • コンプレッサーでダイナミクスを整える
  • オートメーションで抑揚をつける

といった複数の要素を掛け合わせた総合力が必要になります。

最初の頃は、何をどうすればいいのかわからず、
「音が小さい…でも上げると割れる…もうどうすれば…」と何度も挫けそうになりました。

でも、繰り返し試していくうちに、
「音圧って、“音を詰め込む技術”じゃなく、“余白を整える技術”なんだな」と気づき始めました。

  • どこを削るか
  • どの音を目立たせるか
  • どんな空気感で包むか

そういう細かい積み重ねが、結果として「音が太い」「迫力がある」と感じさせてくれるのだと、少しずつ理解できるようになってきました。

その他

一晩寝かせると気づくミックスの粗さ

何時間もミックスに没頭した後「これで完璧!」と思っても、次の日に聴き直すと、「あれ?」と思うことがよくあります。

正直、こればかりはしょうがないです。長時間同じ音を聴いていれば耳もバグります。
時間を置くということも”ミックス工程”の一部であり、時々リフレッシュしながら作業する必要があるということに後に気づきました。

再生媒体によって変わる音のバランス

まだDTMをやっていない方は驚くかもしれませんが、スピーカーやイヤホン、そしてスマホなど、音源を再生する媒体によって音のバランスが変わります。
耳が慣れるまでは、スマホだと「全然オケが聴こえない!」とか、格安イヤホンで「ドラムの音量小さすぎないか?」という悩みにぶち当たります。

もちろん目指すのは、すべての再生媒体で自分が満足するバランスの音源を作ることです。
先述の通り、耳の感覚が鋭くなるまでは何度も編集してミックスダウンを繰り返すことになります。

おわりに

あげたらきりがないですが、私にとってDTMは始めた瞬間からハードモードでした。

この記事を見返すと「本当にDTMを勧める気があるのか?」という声が飛んできそうですが、その苦労の先に本当の達成感があったりなかったりします。(あるっていっとけ)

誰かに自分の曲を聴いてもらったときに「あの曲良いね!」とか、「次の曲いつ配信するの?」とか聞かれると物凄くテンションもモチベーションも上がるし、DTMやっててよかったと思う瞬間です。

だからこそ、これからDTMを始める人も、同じように悩んでいる人も「一人じゃないよ」と伝えたいのです。

この経験を通して、これから始める方への道しるべになれたらと思っています。

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